ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー


「ちょっとー、めっちゃ可愛いんだけど」

「もー、大袈裟だよ」


高校の近くの駄菓子屋前で待ち合わせをしていた未知に『可愛い』と言われ、照れくさくてつい『大袈裟』だなんて言ってしまった。

最近濃い茶色に染めた髪の毛は軽くウェーブをかけて、手の爪には薄いピンクのネイルを塗った。

5年ぶりの同窓会、ちょっとだけ気合を入れた。


「それにしても、よく学校の許可出たよね」

「なんか、今、浅海が務めてるんだって。学校事務?で」

「あー、それでか」


浅海くんなら学校事務より先生として勤めてそうだけど、学校事務になったんだ。


「あれ、未知、指輪・・・」


光るものが見えた気がしてよく見ると、未知の左手薬指には指輪が光っていた。


「あ、そうそう。私、婚約したんだよね」


『えへへ』と恥ずかしそうに言った未知は、すごく幸せそう。

大学時代に彼氏ができて、今も付き合ってることは聞いていたけど、そっか、そうなんだ。