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「はー、やっと土日だ」
葉月先生はため息をつき、右手を左肩に当てた。
今日は金曜日。
いくら子どもたちと過ごすのが楽しくても、仕事はしんどい。
休日が来るとうれしい。
「那奈先生は瞬先生とデートにでも行くの?」
「まー、誘われてはいますけど」
「楽しんでねー。じゃあ、お疲れ様ー」
「はい、お疲れさまでした」
私はぺこりと頭を下げ、駐車場へと向かう葉月先生と別れ駐輪場へと向かう。
みんなには『自転車って不便じゃない?』って言われるけど、そこまで不便じゃないから車は持っていない。
リュックを背負ったまま自転車にまたがり、ペダルをこぐ。
今日は晩ご飯買って帰ろうかなー。
金曜日だし、自分へのご褒美にスイーツも買おう。
一週間頑張ったあとのスイーツってなんであんなにおいしいんだろう。
そんなことを考えながら、家の近くのスーパーまで自転車をこぎ続けた。