「それにしても、那奈ってほんと一途だよね」
大学近くにある、夜9時まで営業しているカフェに入り、オムライスを注文した。
他にも同じ大学の学生が来ていて、何人か知り合いの顔もあった。
「どうなんだろ。会えなくなってから気持ちに気付いたから、消化できてないだけだと思うけど」
「それなら、会いに行けばいいのに。未知が居場所知ってるんでしょ?」
「まあ、それはそうなんだけど・・・」
店員さんが運んできてくれたオムライスにスプーンを入れながら、曖昧に答える。
「向こうから連絡がないってことは、きっとそういうことなんだよ」
「たとえそうなんだとしても、那奈の気持ちを消化させてあげてもいいんじゃない?」
明花の言葉に『だね』と適当に返し、オムライスを頬張る。
しっかり日が通った玉子が載ったオムライスは、昔ながらのオムライスって感じで素朴な味わい。
大学に入学してから定期的にこのカフェに来ているけど、毎回オムライスを注文してしまうんだよね。