「那奈こそ彼氏いないの?もう大学生だし」
「いないよ」
あ、即答してしまった。
逆に怪しかったかな。
「太一って人は?」
何でそんなこと覚えてるの。
高校1年のクリスマスに電話がかかってきたときに画面を見ただけなのに。
「ないない。2年のときに東京に転校して、それから会ってないし」
「ふーん。好きだったの?」
中3のくせに、なに尋問みたいなことやってるのよ。
「別に。好きだったとしても、付き合える訳ないし」
「そんなもんなんだ」
「そんなもんだよ」
それからは、最近のお父さんとお母さんのこと、中学の話、世那が行きたい高校の話などをし、結構盛り上がった。
家までは電車とバスを乗り継いで2時間はかかるから、夕方の4時には駅まで世那を送っていった。