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「来るなら連絡してよー」

「だって・・・」


8月頭。

連絡もなく突然私の一人暮らし先に尋ねて来たのは、中学3年生になった世那。

最近急に背が伸びて、心配していたように私はとっくに抜かれている。


「那奈がお盆帰らないって言うから」

「ごめんごめん。思ったよりバタバタしそうだから」


なんて、半分本当で半分嘘。

帰省してしまうと、山本くんに会ってしまうかもしれないから、なるべく帰りたくない。


「ふーん。あ、知ってた?湊くん、彼女できたんだって」

「あー、知ってる知ってる。優花でしょ?」

「うん、そんな名前だったと思う」


先月に湊と優花の両方からそれぞれ報告を受けた。

びっくりはしたけど、2人は前からお似合いだって思ってたから、納得した。


「世那はいないの?彼女」

「は!?いないし!」


顔を真っ赤にして照れている世那は、まだまだ子どもだなあ。

可愛い。


「ふーん」

「やめてよその顔」


ニタニタ笑っていると気持ち悪がられた。