「2人ってほんと仲いいよねー。高校が一緒だったんだっけ」
柚葉もようやくお母さん手作り弁当を食べ始めた。
「うん。1年のときに同じクラスで、そこから仲いいよね」
「2年からはクラス離れたけど、お昼は一緒に食べてたよね」
「へー。いいなあ。私にはそういう友達いなかったから」
ちょっとだけ寂しそうに言う柚葉に、疑問が生まれた。
「そうなの?ちょっと意外かも。柚葉って誰とでも仲良くなれそうだから」
「それが問題なの。誰とでも仲良くなれるけど、続かない。クラスが離れると終わっちゃうんだよね」
「ふーん。そういうものなんだ」
私は来年も柚葉と仲良くしたいけどな。
「あ、那奈、時間やばい」
「え・・・ほんとだ。ごちそうさまでした」
残りの一口を慌てて口に放り込み、リュックを背負う。
『頑張ってねー』と手をひらひらと振る柚葉を食堂に残し、私は明花と一緒に次の講義の教室に向かった。