ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー


「はー、90分って長いね」


3限後、食堂に入って座った途端に言ったのは柚葉(ゆずは)

所属しているサークルと学部が同じで、一緒に行動するようになった。


「確かに長いよね。1か月前まで50分が当たり前だったのに」

「ほんとそう!ちょっとずつ延ばしてほしいよねー」


『うんうん』とうなずきながら、から揚げを頬張る。

のんびり話してたいけど、私は午後の講義もあるからあんまりのんびりもしてられない。


「あ、いたいた。人多すぎて見つからなかったよ」


私の鞄を置いて確保していた席に座ったのは、明花。

しょうゆラーメンが載ったお盆を持っている。

明日のお昼はラーメンにしようかな。


「え、明花でも人多いって思うの?」


から揚げを飲み込み、素朴な疑問を口にする。

私は高校まで人が多い環境になったことがなかったけど、明花はずっと人が多い環境でやってきたはずなのに。


「思うよ。高校とは規模が違うもん」


『いただきます』と手を合わせ、明花もラーメンをすすりだした。