「いいけど、珍しいね」
「だって、夏休みは休みいっぱいあったのに、冬休みは少ないから」
なるほどね。
中学生になって宿題の量が一気に増えたから苦しんでるのか。
中学では一番活動が盛んな陸上部にも入ってるしね。
「分かったけど、ちょっと待ってね。お茶飲んでくるから」
「はーい」
唇を尖らせている世那のことを可愛く思いながら階段を降りる。
「あ、那奈ちゃんちょうどよかった。おまんじゅう食べない?」
食器棚から湯呑を取り出しながらお母さんが言った。
確か、昨日おばあちゃんがくれたんだよね。
「あ、うん。食べよっかな。世那にも声掛けてくるね」
「うん、お願いね」
「はーい」
今降りて来たばかりの階段を登る。
世那の気分転換にもなってちょうどいいかも。