私は勢いよく楽譜を閉じた。





「まだフルートやってるんだって?親父さん勉強に身が入ってないって呆れてたよ」






「いいのいいの。元々、桜井の学校になんて入る気無いし。」





「てっきり、中学から桜井に入ってるんだと思ってた。」





「いやよ、あんな学校。」





「あっ、言うと思った。




まぁ、色沙らしいと言えばらしいのかもな。




実は俺も公立に転校することにしたしさ。」






私は目を出来る限り開き、丸くした。