「色沙ちゃん、上手だね。


すごいよ。」








…当たり前だ。



毎日吹いてるんだから。








今、私の手の中には、




シルバーに輝くフルートが握られている。





慣れた感触。




私は少しひんやりとしたフルートの感触が大好きだ。





私の心を落ちつかせてくれる。








「ちょっとこれ、吹いて見てくれる?」






楽譜は小学生の頃の練習曲だった。






パチパチパチ…






先輩に言われた通り吹きこなすと、





周りからは盛大な拍手が起こっていた。