「今日、お父さんが色沙と話したいって。」




自分でも無意識のうちに体がビクッと震えた。





“お父さん”





私はこの単語に滅法弱い。



部活に入って落ち込んでいるのも、


この“お父さん”のせいなのだ。






「…わかった。


塾が終わったらすぐに帰ってくるよ。」






私は逃げるように部屋へ行き、

少し焦るように家を出た。