「もしかして、2人は仲良しさん?」


この状況を目の当たりにして、仲良しって言葉が出るあたりがすずちゃんらしい。



「違っ「わかります?」


私が否定の言葉を口にするよりも先に、そんなことを言うものだから「やっぱり」とすずちゃんが笑う。


その可愛らしい笑顔を見たあとに、「違う」なんて言えるわけがない。


「……で、なにか用?」

声をかけてきたからには、それなりの理由があるはず。


「別に大した用じゃ、」


「じゃあ、もう行ってもいい?あ、それから勝手にすずちゃんに近づかないでよね」

「……それって、嫉妬?」

「断じて違う!ていうか、さっさと1年の教室に戻りなさないよ」


「はいはい。久しぶりに会ったのに塩対応っすね。まぁ、今言わなくてもいっか」

「なんか言った?」

「別に。じゃーまたね、穂波先輩、すずちゃん先輩」

ひらひらと手を振りながら去って行く九条渚に女の子達が「おはよう」と近づく。

数秒もしないうちにハーレム状態だ。


「なにが、またね。よ」

アイツのその言葉は信用ならない。