「もう一杯下さい。」

「かしこまりました。」
 バーテンらしい営業スマイルで言った。

 世間話をした。
 懐かしい思いと、切ない気持ちがあった。
 でも、やっぱり、大和といると落ち着くのがわかった。

 2杯目を飲み干し、店を出ることにした。

「久しぶりで、楽しかった。
 じゃあ、お店頑張ってね。」
 私は、もう2度と来るつもりはなく、会うこともないだろうと思いながら言った。

「ありがとう。優奈も頑張れよ。」
 大和も私が来ないことを諭していた。

 私は、店を出た。