「私は、今日、出て行きます。
 離婚届は提出しといて下さい。
 今のところ、慰謝料を請求するつもりもありません。しかし、提出されないようでしたら、弁護士を依頼します。
 よろしくお願いします。」
 私は、淡々と言い放った。

「わかった。
 優奈は決意にすると曲げないもんな。
 申し訳なかった。」
 裕一は、私に頭を下げた。

「では、今まで、お世話になりました。」
 
 私は、裕一と住んでいたマンションの鍵を置いて、出て行った。

 裕一は、ダイニングから動かなかった。