小さい頃に助けた少年の代わりに負った火傷の怪我。

当時はよく分からなかったけど本当に後悔した。

あれからわたしには笑顔と希望が消えた。

昔はキャビアテンダントさんが将来の夢だったのだけれど、この顔でなれるほど世間は甘くないのだ。

そして、後悔したキッカケの大部分は母親。

あれから年に数回会うだけ。しかも、人気のない所を選んで最低限の要件だけ伝えて解散。

怪我をしたその日から母親のわたしに対する態度は逆転した。

そんなこともあってかわたしにアパートの鍵を渡した。

母親は何も言わないけれど、顔はそう言ってるようだった。一人で生きていけと。

毎回去り際に見える母親の目はまるで死んだかのにように。


あの時の判断は本当にあれで良かったんだろうかとかあんなことさえしなければとか考えたりもする。