莉子に会うまでに入念に準備をした。
大金を用意してホテルに融通が効くようにしたし、このホテルで宿泊できるようにモデルの営業活動もした。
莉子の意識を簡単に奪える薬や客室内にセットするカメラも何台も用意した。
これで莉子はもう逃げられない。
「ふふ」
6年前と変わらない莉子の寝顔を見て俺は笑った。
莉子が起きたら何から話そう。
とりあえず莉子には逃げ場はないとしっかり教えてあげないと。
「昨日の莉子本当に可愛かったな。久しぶりだったけど何も変わっていなかったね?」
そう言ってまずは昨日のことを匂わせよう。
ワインを飲んですぐに意識を飛ばした莉子ならきっと勝手に言葉の意味を察するだろう。
もう逃げられない。
やっと捕まえた愛おしい莉子。
これからはずっと莉子と居られる幸せを俺はまた噛み締めた。
side結衣 end.