翌朝は案の定寝覚めが悪かった。
まだ眠気眼のまま一番遅れで食堂プレハブの扉を開く。
するとスタッフ達のお喋りでザワついていた室内が一気に沈黙し、戸口のモモに向かって全員の視線が一斉になびいた。
いや、実際には一人を除いてだ。── 一番奥の角で黙々と食事を進める凪徒を除いて。
「お、おはようございます……」
凪徒の右隣一席は空いていて、そのまた右に暮が座っていた。
暮の向かい側の席に手の付けていない食事がモモを待っていたので、遠慮がちに挨拶しながら腰を掛ける。
と同時に「ごちそうさん」と斜め左から凪徒の声が降ってきた。
モモの視線に合わせることもなく立ち上がり、トレイを片付け出ていってしまった。
「あの……」
「まぁ、先に召し上がれ」
暮も殆ど食事を終えていたが退室はせず、優しい眼差しでモモに朝食を勧めてくれた。
周りも席を立ち出したので、慌てて料理を口に運ぶ。
モモが食事を終える頃には自分達二人となり、空になった食器を返して再びプレハブへ戻った時には、暮が食後のお茶を淹れて待っていてくれた。
まだ眠気眼のまま一番遅れで食堂プレハブの扉を開く。
するとスタッフ達のお喋りでザワついていた室内が一気に沈黙し、戸口のモモに向かって全員の視線が一斉になびいた。
いや、実際には一人を除いてだ。── 一番奥の角で黙々と食事を進める凪徒を除いて。
「お、おはようございます……」
凪徒の右隣一席は空いていて、そのまた右に暮が座っていた。
暮の向かい側の席に手の付けていない食事がモモを待っていたので、遠慮がちに挨拶しながら腰を掛ける。
と同時に「ごちそうさん」と斜め左から凪徒の声が降ってきた。
モモの視線に合わせることもなく立ち上がり、トレイを片付け出ていってしまった。
「あの……」
「まぁ、先に召し上がれ」
暮も殆ど食事を終えていたが退室はせず、優しい眼差しでモモに朝食を勧めてくれた。
周りも席を立ち出したので、慌てて料理を口に運ぶ。
モモが食事を終える頃には自分達二人となり、空になった食器を返して再びプレハブへ戻った時には、暮が食後のお茶を淹れて待っていてくれた。