「リンちゃんって幾つだっけ?」

「やっだーモモたんと一緒ダヨー、五月に十七歳になったヨ」

 ──学年では自分より一つ下ということだ。

「秀成君は?」

「こないだ十八になったヨー、二人でパーティしたん」

 思春期の男女一歳違い程度なら、精神年齢は明らかに女性の方が上だ。

 ──でもまさか、先輩に狙いを絞られるとは……。

「ねぇ~、ナッギー誘ってもイイ?」

 今一度の質問に、モモの口元はいびつな笑みを乗せ、仕方なく答えた。

「あ、あたしに訊かれても……別に、あたしのものじゃないし……」

「あら? そうなの? じゃあ私にも権限はあるってことね?」

 ──え?

 刹那に顔を上げるリンとモモ。リンとは逆隣の上方から注がれたのは、聞き覚えのない若い女性の声だった──。