こんな素敵な時間が今あるのは、間違いなくランのおかげだ。
彼女が私に会いに来てくれて、そしてみんなを繋げてくれて……。それが、今日と言う素敵な日を作ってくれた。
今度、ランと二人でも遊べたらいいなーー……。
幼い頃もそうだが、今まで私とランは二人きりで遊んだり話したりした事はない。
だからいつか……。ううん、近いうちに、ランと女の子同士の時間が持てたら嬉しいな、と私は思っていた。
そんな事を思いながら紅茶を飲んでいると、ポケ電を見ていたライが言った。
「お!ツバサ、何ともなかったってさ。同室の子も熱が高いだけでインフルエンザじゃなかったから、他の人に任せて今からこっちに向かえる、って!」
「本当っ?良かったわ!」
ジャナフ君が熱を出した、って聞いた時は色んな意味で心配だったけどホッと一安心。
予定の時間よりは短くなってしまったけれど、久々に四人で集まって楽しく過ごせそうだ。
「今からここへ向かうなら、2、3時間ってとこか。それまでどうする?」
「あ!私、二人が調査員になる為にどんな勉強をしているのか知りたいわ。ぜひ聞かせて!」
……
…………
そんな私のリクエストに、二人は応えてくれた。
夢の配達人を支える調査員への道のりは私にとって未知の世界で、聞いているだけでも難しそうで……。けど、すごくドキドキワクワクした。
尊敬する気持ちと同時に、いつかは夢の配達人であるツバサと一緒に仕事が出来る二人が羨ましくもある。
だから、思わず素直な気持ちを言った。
その言葉が、ランを傷付けている事とは知らずにーー……。
「いいなぁ、将来三人は一緒にお仕事が出来るのね!
私も何か出来る事見付けて、みんなと一緒に働きたいわ」
ーー……カチャンッ!
すると、その私の言葉の直後にティーカップが音を鳴らした。
その音に私とライが視線を向けると、ランが下皿にカップを置き損ねて……。彼女の膝に紅茶がかかっていた。