ランは、私にとって憧れで、自慢の友達だった。
明るくて、活発で、いつもみんなの先頭を歩いているような女の子だった。

私、ランの事が大好きよーー。

そう伝えて、お互いを曝け出していたら何かが変わっていたのかな?

……
…………。

12月24日、クリスマスパーティー当日。
呼び鈴が鳴って、弾む鼓動。いつもは使用人達に任せている出迎えも、今日だけは譲りたくなかった。

「いらっしゃい!ラン、ライ!」

「!っ、おわっ!ビックリした〜!
まさか、お嬢様自ら出迎えてくれるなんて思わなかったよ〜」

ガチャリッ!と扉を開けて出迎えると、ライは驚きながらもすぐに笑って、嬉しそうにそう言ってくれた。
そして、その隣のランも穏やかに微笑んでいる。
7月の半ばに数年振りの感動の再会を果たしたものの、二人に会うのは約5ヶ月振り。嬉しくて嬉しくて、テンションを上げるな、と言う方が無理な注文だった。

「寒かったでしょう?さ、どうぞ上がって!」

「お邪魔します。
……うわぁ〜なんか、緊張するなぁ。ね?姉さん」

「うん、そうだね」

「ふふっ、そんなに固くならないで?今、両親は弟を連れて買い物に出ているの。夕方には帰って来るけど、今は私とレベッカと使用人達しかいないわ」

家に上がってもらって廊下を歩き、今日のクリスマスパーティーの会場となる部屋へと案内する。その間も、私の胸は高鳴りっぱなしだった。
目的の部屋の前に着き扉を開けると、フワッと香る紅茶の良い香り。絶好のタイミングで、レベッカがお茶の用意をしてくれていた。

「ラン様、ライ様。ようこそいらっしゃいました。
さ、どうぞこちらにお掛けになって、暖かいお茶をお召し上がり下さい」

どうしよう。
すでに、楽しいっ……!

この家に、ランとライが来てくれた。
そして今、テーブルを三人で囲み、ソファーに座ってお茶を飲んでいる。
それは、"たったそれだけの事"、のように見えて、実は私達にとってはかけがえのない奇跡。