「素直になれないんです。」





自分の事で頭いっぱいでほかの人の事抱えきれないっていうか。



かかえきれない?





真意。思惑を知りたくて彼女の顔を覗き込む。先ほど見た顔より、かわいい。何を思ってるんだおれは。


目が合い、すぐにそらされてしまった。一瞬で顔の生気が栄えたのは気のせいか。一言、





「顔が赤くなった。」

なんて恥ずかしくて言えない。





素直じゃないのは俺もだな、と少し(ばつが悪く)極まりが悪くて俺も目をそらす。


お互いに意識してるのは確かだ。








「あのですね、」





意を決したように口を開く。












「気を使いながら自分を保つ重労働、高時給じゃないとやってられない。」


「私のやりたいことにみんな好き勝手言って。言いたいこと何も言えなくて泣いてるのに、勝手に話進めて。助けるどころか私の首を絞めて。」




「ウン。」





「思ってもないのにありがとうやごめんね使う毎日苦しくて。自分の事で頭いっぱいなんだよ、こっちは!」





はあ、と鼻息が荒い彼女もまたかわいい。ギャップが萌える。


って、そうじゃなくて。