夕食を終え、
皆でゲームをして遊び、
俺は早めに風呂を済ませて寝た。

寝付くまで、
父さんが側にいてくれた。

ふと、父さんが言った。

「…ごめんな。愁。」

「え?」

「病気は辛いだろうに。
苦しいだろうに。
いつも側にいてやれなくて、
悪いと思ってるよ。
ツアーの間も気に掛けてはいるんだ。
メールしたり電話したり…。
本当は側にいて、
手を握っててやりたい。
頭を撫でてやりたいのに。」

「父さん…。」

「仕事を理由にはしたくないよ。
でも、毎日練習はあって、
コンサートもちゃんとある。
…構ってやりたいのに、
うまくいかないな。」

「しょうがないよ。
俺はそういう風に思って
もらえるだけでも嬉しい。
確かに病気は辛いけど、
皆もいるし、友達もいるし、
俺はめちゃくちゃハッピーだよ。
だから、謝らないで欲しい。」

「愁…ありがとう。」

俺はふふっ、と笑って目を閉じた。