受話器を暁兄に渡して、
再び横になった。

「しょっちゅう
横になってるけど、
キツイのか?」

「ううん。
こっちのほうが楽なんだよ。」

「そか。ならいいけどさ。」

「ただ…その電話の音嫌い。」

「あー、うるさいもんな。」

この電話、音の調節が出来ないから
買ったときからこんな音だ。

「いきなり鳴ったから、
びっくりして飛び起きた。」

「ありゃ。大丈夫だった?」

「平気。
少しびっくりしたけど。」

「それでなかなか取らなかったのか。」

「呼吸整えるので
いっぱいいっぱいだったよ。」

「そか。
…眠ったほうがよくないか?
疲れたろ。」

「…んー、そうするよ。
おやすみなさい。」

「おやすみ。
父さんが帰ってきたら起こすよ。」

「うん…。」

俺は目を閉じた。