……いま廉くんと話してたのに。

「あ?なんだお前ら。どこの族だ」

「どこだっていいだろ〜?……ん?お前夜姫か?」

「は!?夜桜の総長と夜姫ってできてんの?」

ギュッと握る手に力を込めた廉くん。

「澪桜、浴衣でケンカはやめろよ」

「っでも、」

「俺の言うこと聞け!」

っ………。

でも廉くんも浴衣なのに、あたしだけケンカしないなんてそんなの……。

「たかが族の総長ひとり余裕だぜ!」

──ガッ、ドスッ!

次々とケンカしていく廉くん。

大丈夫かな……いくら強い廉くんでも、浴衣でケンカなんて無理じゃ……。

「動くな」