好きな子にわがまま言われて嬉しくないわけない。

むしろ最高。

「ありがとう廉くん」

「ん」

はにかむ澪桜が、愛しくてたまんない。

こんな小さな手で俺の手を握ってくれるのが。

俺の隣で恥ずかしそうにしてる澪桜が。

好きで好きで……おかしくなりそう。

「み……」

──ヒュー……パァァァァンッ!!

一気に公園が明るくなって空を見上げた。

「わぁっ……花火綺麗!」

次々と打ち上がる花火に興奮する澪桜。

花火に俺の声はかき消されたけど、こうして喜んでくれたからいいや。

澪桜、好きだよ。

そう言おうとしたけど、まだ隣でその笑顔を見つめていてもいいよな。