会場の奥に行けば神社があった。

「こんなところに神社なんてあったんだ……」

なんか夜の神社って怖いな……。

それでも歩みを止めずに神社の奥に行く廉くん。

「あと少しだけ」

ギュッと握る手に力をいれた。

こんなに暗いもん、絶対離れたくない。

「怖い?」

「う、うん……」

「大丈夫、あとちょっと」

少し歩けば小さな公園があった。

「このベンチで花火見よ」

廉くんの隣に座って、ラムネをもらった。

「美味しいっ」

「やっぱ夏はラムネだよなぁ」

そういえば……手、離れちゃった。

ずっと握ってたからか、なんか寂しく感じる。

でも繋ごうなんて言えない……っ。

もう繋ぐ理由なくなっちゃったし……。

それでも繋ぎたいなんて、わがままかな?