「うんっ」

それからは何も気にならないくらい廉くんとの花火大会を満喫した。

たこ焼きとかわたあめとかいろんなものを食べながら屋台をまわって。

その間もずっと手を繋いで。

「澪桜、あれ飲まない?」

「ラムネ?飲みたいっ」

「おじさん、ラムネふたつ」

「はいよー!ん?兄ちゃんたちテレビに出てたか」

あたしと廉くんを見ながらそう言ったおじさん。

もしかして婚約パーティーのことかな?

「あーそうっす!覚えてたんすか」

「そりゃ覚えてるよー!あのあとニュースになったんだからねー!ほら、ラムネ」

「ありがとうございます」

がんばってねー!と言ってくれたおじさん。

八城財閥ってそんなすごかったんだ。

「澪桜、そろそろ花火だし俺見ばえいいとこ知ってるから行こ」

「見ばえいいとこ?」

廉くんはにっと笑うとあたしの手を引いた。