出張先での会議を終え、琉羽は近くのコンビニへ向かった。
コンビニのドアを開けようとした時、ドアのガラスに映った姿に気が付いた。

コンビニのドアのガラスに反射し、苺美の姿が映ったのだ。
目が合わないようにしながらガラスを見る。
振り返りそうになるのを咄嗟に止め、コンビニへ入る。
気付いたと知られないように。
苺美の存在に気付いていない素振りで、夕飯を買い、足早にコンビニを出る事にした。
すぐに買って帰りたかったから、弁当の種類も見ず、手に取った弁当をレジに運んだ。
何でも良い。今は早く出よう。
千円札で支払い「おつりは募金します」と言いコンビニを出る。
その行動の素早さに慌てて、その姿もコンビニを出る。
追うように出る。追って来ている。
コンビニに入ったのにも関わらず、何も見ず、何も手に取らず、ただただ着いて来る。
その姿は苺美だ。

泊まっているホテルに入ると、さすがに苺美は足を止めた。
ホテルの中まではさすがに来ない。
予約制のホテルだった事にここまで感謝するとは。

目が合わないようにロビーから確認をする。
そうだ。あの靴は、いつも苺美が履いている靴だった。
苺美が追って出張先まで来ている。
琉羽は苺美に不気味さを覚えた。