その時、また重く音が届く。
いつもと同じ重い音。
「やっぱうるさいよ!」
苺美は許せないようだ。
苺美は紙をテーブルに叩きつけ、その勢いでまた立ち上がる。
「やめて!いいの!」
止めなければ。ここに住む為に、止めなければ。
止めるその肩に両手を置き、「ガマンは良くないよ」と笑う苺美。
「いい加減にしてよ!住んでるのは私なの!アンタは少しぐらい我慢しなさいよ!」
肩に置かれた手を振り払い、怒鳴ってしまった。
怒鳴ってしまってから気が付いた。
でも…。謝るのを躊躇(ためら)う。
悪いけど、悪くない。
雨哥は苺美から目を逸らし俯いた。
「ごめん」
苺美が小さく謝った。
鞄を手に取り「今日は楽しかったよ。ありがと。今日は帰るね…。ごめんね。じゃあね」と一気に言い、雨哥の返事を待たずそのドアを開け、帰ってしまった。
別にどうでも、どうなっても良い。
悪いのは私じゃないでしょ?
そう思ったはずなのに、小さく「ごめんね」と雨哥はドアの鍵を閉めた。
いつもと同じ重い音。
「やっぱうるさいよ!」
苺美は許せないようだ。
苺美は紙をテーブルに叩きつけ、その勢いでまた立ち上がる。
「やめて!いいの!」
止めなければ。ここに住む為に、止めなければ。
止めるその肩に両手を置き、「ガマンは良くないよ」と笑う苺美。
「いい加減にしてよ!住んでるのは私なの!アンタは少しぐらい我慢しなさいよ!」
肩に置かれた手を振り払い、怒鳴ってしまった。
怒鳴ってしまってから気が付いた。
でも…。謝るのを躊躇(ためら)う。
悪いけど、悪くない。
雨哥は苺美から目を逸らし俯いた。
「ごめん」
苺美が小さく謝った。
鞄を手に取り「今日は楽しかったよ。ありがと。今日は帰るね…。ごめんね。じゃあね」と一気に言い、雨哥の返事を待たずそのドアを開け、帰ってしまった。
別にどうでも、どうなっても良い。
悪いのは私じゃないでしょ?
そう思ったはずなのに、小さく「ごめんね」と雨哥はドアの鍵を閉めた。