何? 何があったの?
「苺美…どうしたら…どうしたい?」と聞いた。
もし中に痣をつけた人がいて聞いていたとしたら…。
そう思い、小声で聞いた。
答えを待つ。
「助けて」と小さく言った苺美を支え、雨哥はタクシーを呼んだ。
連れ出すと決めた。この時はただ…。

知ってしまった。
この事を知らなければ、苺美を嫌いになれたのに。
許さずにいられるのに。
この時から雨哥は、苺美を捨てられずに、どうしても最後には許してしまうようになった。
この時の1つの事で…。
許せない自分が苺美を嫌いになれずに残る。