「苺美!何があったの?」とドアを開き、玄関の中へ入った。
普通じゃない!何かある!
この時は心配だった。
今なら放っておくのに。

「入らないで!」と雨哥を止めようとするも、苺美の力は弱く、止めるどころかフラフラと倒れそうになる。
支えた苺美の体は熱かった。
熱を出している。
「お母さんは?」と部屋の中を見ようよすると、苺美は雨哥に抱きついて来た。
泣いている。
子供のように雨哥にしがみつき、声を殺し、泣いている。