3年生になり、雨哥と苺美は同じクラスになった。
苺美は隣の席に座っていた。
「今度は隣なんだね」と軽く言う雨哥に「これからずっとだよ」と苺美は見つめ返して来た。
「そう…」
特に考えず答えたんだ。
別に害を感じなかったから。
その時はまだ…。

中3で来る “受験” という人生のイベント。
苺美は隣でため息をつく事が増えていた。
初めて暗い姿を見せた。
「悩んでるの?」と雨哥は苺美の白紙の【進路希望】の枠を見た。
苺美は紙を半分に折り「うん…。ねぇ…雨哥ちゃんはどうするの?」と聞いた。
この時はまだ「雨哥ちゃん」だった。
「私は…」
教えた。
その時も別に知られても良かったから。
嫌じゃなかったから。