【102号室】はこの日、音を立てていた。
“タキ食品” の仕事の音だ。
【作業室】の音。
それも “普通”。
その音を聞きながら、テグスにビーズを通して行く。
タキに呼ばれるまでビーズが雨哥の仕事。
タキが作業をし、袋に詰める。
今までと同じように。慣れた作業。
タキが作った “ペットフード” を黒い服を着て車に運ぶ。
部屋に運び入れ、手伝い、運び出す。
それがこの日の琉羽のもう1つの仕事。
それも全て “普通”。
3人の普通。