「アンタんちでも良い?」
この言葉に雨哥が頭を上げ「良いんですか?」と聞く。
「大切なんでしょ?」とタキに言われ、雨哥は「はい」と少し目を潤ませた。
「家で待ってて」と言われ、雨哥は戻り、タキを招く支度をする。
5分後。
タキが【201号室】のドアを叩いた。
タキはチャイムを鳴らさない。
「はい」と緊張した声で、タキの前のドアを開ける。
タキはいつもと同じだった。
特に何か変わった所はない。
「飲み物の好みとかありますか?」と雨哥が聞くと「何でも大丈夫」とタキは答える。
「そっかぁ」と雨哥は台所の紅茶を選ぶ。
「どうぞ」と雨哥が選んだのは “ローズティー”だった。
「普通で良かったのに」と言いながらもタキは香りに頬を染めてくれた。
きっと普段は選ばないであろう “ローズ”。
少し猫舌気味のタキが可愛い。
タキがカップをテーブルに置き「で?話って?」と冷静な目に戻る。
タキに琉羽の事を告げる秒へと入る…。
大丈夫。大丈夫にするんだ!
琉羽を守る。