洗い流し、キレイにした “ナニカ” を “ペットフード” と書かれた袋やパックに詰める。

その作業の途中、タキがスマホで誰かに連絡を入れた。
タキが手慣れた速さで “ペットフード” にして行くのを手伝いながら覚えた。
「手先、器用だな」とタキに言ってもらえて嬉しかった。
手先が器用なのが唯一の取り柄だと思っていたから。
20分程経った頃、“【102号室ー作業室ー】”にチャイムが聞こえた。
【101号室】もチャイムが押されると【102号室】にも聞こえるように設計されているらしい。
タキは1度 【102号室-作業室-】から出て行き、また戻って来た。
タキの後ろに、男の人が立っている。
歌が見た警官とは違う男の人だった。
「後で説明する。この子は大丈夫だから」とタキが言うと、男の人は黙って完成している “ペットフード” を作業室から次々と運び出して行く。
そして、あっと言う間に雨哥の初めての “ペットフード” が全て運び出された。