苺美が脳内で微笑(わら)う。
嫌じゃない。可愛い時もあったんだ。
愛おしい時だってあった。

好きだった時の苺美を思うと、口の中は甘く温かくなる気がした。嫌だ。違う。
嫌いだった時の苺美の味に戻す。
それで良い。
コイツなんて…それが当然だと思わせる!
私は、ヒドイ奴で良い。嫌な奴で良い。そう自分に言う。そうで居なければ…。
今までのタキがそう思って来たように、雨哥もその道を選んだ。その方がラクだから…。