思い掛けず、タクシーに乗った琉羽を見送り、苺美は帰ろうとした。
来た道へと足を踏み出す。
その背中に「苺美?」と声が届く。
苺美の体がビクッと動きを止めた。
振り返り、その姿を確認する。
『どうしよう…』と一瞬だけ動揺するが、すぐに持ち直す。
「雨哥、何してるの?」といつものトーンで。雨哥に会えるのは嬉しいから。
何してるの?こっちの台詞ですけど…。
「クライアントさんに納品して来た帰りなんだ。苺美こそ、こんな所で何してんの?」
苺美がここにいる方が異常なのだ。ここは苺美の家の近くでも、帰る方向でもない。
そして、雨哥に会う為に通る道でもないのだから。
『クライアントって使えるな…』と雨哥は会ってないクライアントに感謝する。
浮かんだのは琉羽の顔だった。今回のクライアントは琉羽なのだろうか…。まぁ、何でも良いや。
「何してんの?」の質問に「散歩」と答えた。バカな答え過ぎて笑いそうになる。何?それ…。散歩?
本来なら「こんな所を?」と聞くだろう。けど、今はその「散歩」と言う答えを受け取った。
散歩ですか…そうですか。
答えなんて、どれも嘘だと知っているから。それこそ、何でも良い。嘘だから。
来た道へと足を踏み出す。
その背中に「苺美?」と声が届く。
苺美の体がビクッと動きを止めた。
振り返り、その姿を確認する。
『どうしよう…』と一瞬だけ動揺するが、すぐに持ち直す。
「雨哥、何してるの?」といつものトーンで。雨哥に会えるのは嬉しいから。
何してるの?こっちの台詞ですけど…。
「クライアントさんに納品して来た帰りなんだ。苺美こそ、こんな所で何してんの?」
苺美がここにいる方が異常なのだ。ここは苺美の家の近くでも、帰る方向でもない。
そして、雨哥に会う為に通る道でもないのだから。
『クライアントって使えるな…』と雨哥は会ってないクライアントに感謝する。
浮かんだのは琉羽の顔だった。今回のクライアントは琉羽なのだろうか…。まぁ、何でも良いや。
「何してんの?」の質問に「散歩」と答えた。バカな答え過ぎて笑いそうになる。何?それ…。散歩?
本来なら「こんな所を?」と聞くだろう。けど、今はその「散歩」と言う答えを受け取った。
散歩ですか…そうですか。
答えなんて、どれも嘘だと知っているから。それこそ、何でも良い。嘘だから。