返事は送らず、スマホをポケットに入れ、苺美の背中を見る。
苺美は試作のビーズの作品を手に取っていた。
試作品だから良いって訳じゃないけど…まだ良かった。
「カワイイ」と苺美が言う。
嬉しいけど…違うじゃん…。
「カワイイ」と言った背中がこちらを向いた。
どうも、いらっしゃいませ。
目が合う。終わりが合う。
苺美の手から試作品が落ちる。
実際、あるんだ。落ちる、落とす事って…。