放課後、同級生である彼が突っ立ったまま、外を眺め続けている。


上空からは雨が降っている。


「傘、持っていないの?」

「ああ。今日は持たなかった」


わたしの手には傘の柄が握られている。


「良かったら、わたしの傘に入る?」

「いや、それは遠慮する」


彼は首を振り、続ける。


「傘、差せないから」