「さえ~」

「あ、おはよ海斗」

後ろから紗枝の肩に手を回し抱きつく彼、西村 海斗(にしむら かいと)

きつい香水の匂いが鼻につく。


「朝からイチャイチャしないでもらっていいですかぁ」

「はは、桜ちゃんおはよーん」

紗枝には彼氏もいてそれでいて美人で、入学早々から友達もたくさんいる。

西村に関してはどこにでもいるような顔をしたナリヤンなのに、
紗枝という完璧な彼女を手にして、


とても高校生活を充実できているはずだ。



物足りないものなんて何もないはずなのに……