“悠”
窓際の席に座る西田 悠。
少し離れた真ん中の席にいるわたしは、
横目でこっそりと彼を見る。
窓から差し込む光に当たって、
透き通るようなきれいな肌、
薄っすら茶色い髪と、瞳。
鼻も顔の輪郭もすっとしていて、整いすぎている。
はじめて彼を見たときは、本当に女顔負け、きれいすぎて驚いた。
1ヵ月しかまだ経っていないのに、
もう1ヵ月前のことなんて夢のようで、今の現実を受け入れているみたいだ。
「……っ」
ふいに、悠がこっちを向いた。
わたしは勢いよく目線を外す。
……見てることばれた?
ドクドクと心臓が鳴り響く。