つい嬉しくて声が弾む。

まだ内緒にしていなくてはいけないのに、これではすぐにバレてしまいそう。

ドキドキと早まる鼓動を落ち着かせつつ、なるべく冷静に聞こえるよう口を開いた。

「もし早めに帰れるなら、久しぶりに外食しない? えっと、ワークショップの成功の前祝い?」
「ははっ、なんだそれ」

可笑しそうに声を上げた怜士だけど、私の提案に嬉しそうに頷いてくれた。

「急いで仕事終わらせる。陽菜からデートに誘ってくれるなんて珍しいな」
「うん、怜士とゆっくりしたいなって思って。あの、話したいこともあるし」
「悪いな。ここ最近忙しくて」
「あ、ごめん、違うよ。責めてるわけじゃないから。楽しそうに仕事してるの、好きだなって思いながら見て応援してるし」

慌てて否定すると、怜士がニヤリと意地の悪い笑みを浮かべる。

「へぇ。なにその可愛いセリフ。誘ってる?」

長い指で顎を掬われ、止める間もなく唇を塞がれた。

「んっ……」

すぐに深くなる口付けに溺れてしまいそうになるけれど、今日はいつものように抱かれるわけにはいかない。

妊娠初期の妊婦の身体はデリケートで、激しい行為は厳禁なはず。