「……俺、あんなひどいこと言ったのに。なんで、そこまで」
「奇跡を信じてみることにしたの」

 小さな袋を渡して、宮凪くんが不思議そうに中身を取り出す。たくさんのメッセージが詰まった寄せ書きに、言葉を失っていた。
 伊波くんと勝手に会ったことを謝ったら、首を振って、じっと文字を見つめていた。どこか懐かしそうに、唇をゆるめて。

 知ってほしかった。天王中のみんなも、他にだって、宮凪くんのために協力してくれる人がこんなにいるってこと。


「私ができたんだから、宮凪くんは、もっと奇跡を起こせる。ぜったい」

「そうだな。じゃあ、俺は蛍を越えるよ。かならず」