「ごめんね。おせっかいかと思ったけど、納得いかなくて。ああゆう人たちと、春原さんの接点ってなんだろって」

 思えば、始まりは手紙だった。
 宮凪くんが『友達になりませんか?』とメッセージを残したから、私たちは出逢った。

 友達がいないのは結局私だけで、くれた言葉もデートも、全てが嘘だったの?

「……宮凪くんとは、少し前に知り合って。でも、他の人は、あんな宮凪くんは知らない」

 何度頬を拭っても、悲しみはあふれて止まらない。
「最近、よくあそこで溜まってるよ。わたしも噂でしか知らないから、余計な口出しできないけど」

 ゆっくり立ち上がり、真木さんが手を差し伸べる。

「春原さんが心配なの。誰だってマイナスなことは隠したいじゃん? だからそれも含めて、あとは信じられるかどうか、春原さん次第じゃない?」

 ──女遊びも激しいんだってね。

 ──何言われたか知らないけど、騙されてるよ。

 おずおずと手を取って、ふらつきながら立ち上がる。支えてくれる真木さんの腕を、そっと離した。

「……うん」

 あの時は、そんなことないと強く言い切れた。でも、今は自信がない。

 濡れた頬に残る余韻は、甘く柔らかな感触ではなく、擦れる指のひりつく痛みだけ。