待ちに待った、秘密の旅行の日。
私たちの住む県を南下したこの旅行地にまで来るのだけでも、とてもテンションが上がった。
市の中心部の駅で待ちあわせると、どこで誰に見られるか解らなかったので、私は地下鉄の最南端の駅で降りて、そこで洸さんのBMWに滑り込んだ。
高速道路に乗ってしまうと、もうすっかり人目など気にすることもなく、私は堂々と車の窓を開けていつもと違う空気を味わった。
高速を降りて、一般道で赤信号につかまる度に、キスをした。
家族以外の男のひとの車に乗るなんて、滅多にないことだし、洸さんは優しくて、
もうすっかり同級生の彼氏だった奴のことは過去のこととして忘れられていた。
しかも。
「ね、あのお婆さん、私のこと奥さんだって」
人差し指を立ててお茶を啜っていた洸さんに浮かれ気味で話しかけた。
和室、座布団、座卓。まるでここは私と洸さんの家のようだ。
「帳簿書く時、そういうことにしておいた。変に怪しまれないように」
こういうスマートな洸さんも好き。
私も同じようにあたたかいお茶に口をつける。
別に結婚願望はまだないけれど、いつか奥さんになる時が来るのかな?
私たちの住む県を南下したこの旅行地にまで来るのだけでも、とてもテンションが上がった。
市の中心部の駅で待ちあわせると、どこで誰に見られるか解らなかったので、私は地下鉄の最南端の駅で降りて、そこで洸さんのBMWに滑り込んだ。
高速道路に乗ってしまうと、もうすっかり人目など気にすることもなく、私は堂々と車の窓を開けていつもと違う空気を味わった。
高速を降りて、一般道で赤信号につかまる度に、キスをした。
家族以外の男のひとの車に乗るなんて、滅多にないことだし、洸さんは優しくて、
もうすっかり同級生の彼氏だった奴のことは過去のこととして忘れられていた。
しかも。
「ね、あのお婆さん、私のこと奥さんだって」
人差し指を立ててお茶を啜っていた洸さんに浮かれ気味で話しかけた。
和室、座布団、座卓。まるでここは私と洸さんの家のようだ。
「帳簿書く時、そういうことにしておいた。変に怪しまれないように」
こういうスマートな洸さんも好き。
私も同じようにあたたかいお茶に口をつける。
別に結婚願望はまだないけれど、いつか奥さんになる時が来るのかな?