黒岩先輩の顔が急にドアップになって、唇になにか温かくて柔らかいものが触れた。
えっ、なに……?
突然のことでなにが起こったのかわからず硬直していると、先輩と目が合った。
「せ、先輩……これって……」
「キスだけど?」
改めて言葉にして言われると、急に恥ずかしくなって体中が熱くなる。
今の、あたしのファーストキスだったのに!
「普通にしましたけど?」みたいなかんじでさらっと言っちゃうなんて。
あたし、まだ先輩の気持ちを聞けてないのに……。
「先輩は! あたしのこと、どう思ってるんですか?」
「俺は、明莉のこと……」