「あたし、先輩に言いたいことがあって……」
「なに?」
心臓が壊れそうなくらい、ドキドキいってる。
もしかしたら、黒岩先輩に聞こえてるかもしれない。
でも、言わなくちゃ。
黒岩先輩にあたしの本当の気持ちを。
「あたし、黒岩先輩のこと……好きなんです」
気持ちを伝えたら、さらに心臓がバクバクと脈を打った。
たった2文字だけなのに、それを相手に伝えるのにこんなにドキドキするなんて。
今まで知らなかった。
「はぁ……なんだよ、それ……」
呆れたようなため息とともに吐き出された先輩の言葉に、心臓が凍りついた。
あぁ……先輩にこの想いは届かなかったのかな?
これは失恋確定だなぁと諦めていた――そのとき。