あの人、泣いてた。

それだけ黒岩先輩を、本気で好きだったってことだよね?


なぜかあたしも黒岩先輩にフラれたような気分になった。


あんな告白見た後に、どんな顔で先輩に会えばいいんだろう。

来るタイミング、完全に間違えたなぁ……。



委員会室に入る機会を完全に見失って、その場に立ち尽くすことしかできない。


あたし、どうすればいいんだろう。



「明莉……?」



ドア越しにあたしの名前が呼ばれた。


しまった!

もう逃げも隠れもできないじゃん。


あたしは観念するように、そっと教室をのぞきこんだ。