「あかりん~!!」



昇降口付近で、後ろからあたしの名前を呼ぶ声が聞こえたので振り返ると、そこには同じクラスで親友のまなみんこと、恩田(おんだ)愛美(まなみ)ちゃんがいた。



「まなみんだ! 今、客寄せしてるの?」


「うん! あかりんは実行委員で巡回してるんだよね? ひとりなの?」


「ううん、ここにいる先輩といっしょだよ」

「先輩って……だれもいないけど」

「えっ!?」



い、いない!!

まなみんに言われて初めて、黒岩先輩とはぐれてしまったことに気づく。


どうしよう!!

さっき先輩にはぐれるなって言われたばっかなのに。

言われたそばからもうやっちゃってるよ、あたし!


もし先輩に会ったら……。


『お前、本当に脳みそあるわけ!?』


って、いつものように罵倒されそう。