「実行委員の中で、お前がいちばん本気でやってるからだよ」


「えっ?」


「やる気のないヤツにミスされて、こっちが責任取らなきゃいけなくなるくらいなら、やる気のあるヤツにやらせるほうがまだ失敗されてもしかたないなって思えるからな」



黒岩先輩があたしのやる気を買ってるって、柳井先輩が言ってたことはホントだったんだ。



「黒岩先輩、お手数をおかけしてすみませんでしたっ! それから、ミスのフォローをしてくださってありがとうございます!」



黒岩先輩に頭を下げて謝罪とお礼を言うと、先輩の大きくて温かい手があたしの頭の上に乗った。



「明莉、お前はちゃんとやるべきことはやってる。もしお前が間違えてたら、俺が直してやる。だから、お前はそのままでいいんだよ」



いつも眉間にシワを寄せて怖い顔であたしを見る先輩の表情は、とても穏やかで優しかった。